遺産相続

まずはご相談ください

遺産分割・相続

この世に亡くならない人はいません。そして、人が亡くなれば、必ず相続が発生します。相続人をはじめとする関係者の話合いだけで解決するケースもありますが、ちょっとした行き違いから感情的なもつれを生じ、いわゆる「争続」に発展するケースは後を絶ちません。「うちは財産も少ないから心配していない。」という方も油断は禁物です。無ければ無いで揉めるのが相続事件なのです。もともと知った仲の親族間で生じる問題だけに、いったん話がこじれると解決の糸口を見つけるのが非常に難しくなります。ですが、逆に専門家である弁護士が介入することで、相続人間の誤解が解けて一気に解決に向かうことが少なくない類型の事件でもあります。遺産分割・相続でお悩みの方は、ぜひお気軽に弁護士にご相談ください。まずは、お電話にてご相談のご予約をお願いいたします。

よくあるご質問

父が亡くなり、遺産分割をすることになりました。相続人は、母と姉と私の三人です。父は手広く事業を行っており、遺産も多額に上ります。生前、父から、姉の名義で3000万円ほどの預金をしているという話を聞いていました。税務署の調査を嫌って姉名義の預金にしていましたが、出どころはすべて父の資産だったということです。ところが、遺産分割の協議の席上で、姉は「私の名義の預金なんだから、すべて私のものでしょ。お父さんの遺産じゃないから分割もしない。」と言い出しました。遺産分割で揉めたときは家庭裁判所で調停をすると聞きましたので、私も家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てればいいんでしょうか?
遺産分割の手続は、①当事者同士で話し合う遺産分割協議、②裁判所で調停委員を介して話し合う遺産分割調停、③話し合いがまとまらない場合に裁判所に分割方法を決めてもらう遺産分割審判に分けられます。
ただし、こうした遺産分割の手続は、「どの範囲の財産が遺産であるかについて相続人全員の合意があることを前提に、その特定された範囲の遺産をどう分けるか」を決めるものです。そもそも遺産の範囲に相続人間で認識が異なる場合、まず遺産の範囲を特定しておかなければ「どう分けるか」を話し合うことはできません。そこで、遺産分割の前提問題、例えば遺産の範囲の争い、ある者が相続人に含まれるのかの争い、遺言書の有効性に関する争いなどがある場合は、まず地方裁判所における確認の訴えでこれらの前提問題を解決しておく必要があります。
本件の場合、まずはお母さまとお姉さまを被告として、お姉さま名義の預金がお父さまの遺産に含まれることを確認する遺産の範囲確認の訴えを地方裁判所に提起します。お母さまも被告にすることは違和感があるかもしれません。すこし専門的なお話になりますが、判決の拘束力は裁判の当事者(通常は原告と被告)にしか及びません(既判力の主観的範囲)。どの範囲の財産が遺産の範囲に含まれるかに関する裁判所の判断は、少なくとも全相続人に対して拘束力が及ばなければ紛争の終局的解決にならないので、原告を除くすべての相続人を被告としなければ、遺産の範囲確認の訴えは不適法として却下されてしまいます(固有必要的共同訴訟)。 こうしてお姉さま名義の預金が遺産の範囲に含まれるか否かを訴訟手続で確定し、確定した遺産を前提として、その分割方法を協議・調停・審判の手続を利用して決めていくことになります。
10年前に父が亡くなり、今年母も亡くなりました。晩年の母の身の回りの世話は近くに住んでいた兄に任せっきりになっていました。母の相続人は私と兄の兄弟二人だけです。先日、法要の際に兄から「お母さんの遺産は預金が100万円ほどあるだけ。最後の面倒は俺が見たんだから、全部俺がもらうということでいいか。」と言われました。私が知る限り、母は倹約家でしたし、父の遺産も含めて数千万の預金があったと思います。また、母の面倒を見てくれたことは感謝していますが、だからといってすべての遺産が兄のものになるというのは納得いきません。どうしたらいいのでしょうか?
亡くなって相続の対象となった方を被相続人と呼びます。被相続人の晩年、財産の管理を相続人のひとりが担っており、後日、その管理内容がもとで紛争になる例は多いです。本件の場合、まずは遺産の内容を特定するために、金融機関に対して取引履歴の開示を求めます。お母さまがお取引されていた金融機関が特定できていれば、相続人の資格で開示請求を行えば、過去10年分の取引履歴は開示してもらえます。また、お母さまがお取引していた金融機関が分からない場合、可能性のある金融機関に対して弁護士照会を行う方法が考えられます。地域の方が取引を行う可能性のある金融機関はある程度限られますので、それらの金融機関に対して網羅的に弁護士照会を行って、該当があった場合には過去の取引履歴を開示してもらうのです。こうした調査により、お母さまの遺産が特定できれば、これを前提にお兄さまと遺産分割の協議をすることになります。
このとき、もともと数千万円あったお母さまの預金が、お亡くなりになった時点で100万円程度になっていた場合、その間の支出がお母さまの意思に基づくものであったり、お母さまの生活費や医療費等として支出されたものであれば、残った100万円を遺産として分割することになります。
他方で、その間に支出された預金が、お母さまの財産管理に当たっていたお兄さまが私的な用途に費消していた場合、その取り戻しを考える必要があります。親子であっても法的には別個の権利主体ですから、お母さまのご存命中、お母さまの預金をお母さまの了解なく引き出す行為は、お兄さまのお母さまに対する不法行為を構成し、損害賠償請求権が発生します。また、お兄さまが、法律上の原因無くお母さまの預金を引き出して利得し、お母さまが損失を被ったと考えれば、お母さまからお兄さまに対する不当利得返還請求権が成立します。お母さまの死亡により、お母さまが生前有していた不法行為に基づく損害賠償請求や不当利得返還請求権は、法定相続分に応じて各相続人が相続することになります。本件では、お兄さまに対する損害賠償請求又は不当利得返還請求により、お母さまの遺産から逸出した財産の取り戻しを行う必要があります。
遺産の範囲が定まった場合の遺産分割の方法ですが、遺言書が無ければ、相続人がふたりの本件では、ご兄弟で二分の一ずつ取得することになります。お兄さまの言う「最後の面倒は俺が見た」というのは、法律的には「寄与分」の主張であると考えられます。「寄与分」というのは、「被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした」(民法904条1項)共同相続人の相続財産を増やす制度です。寄与分が成立するかのカギは、寄与分を主張する共同相続人の行為が、「被相続人(本件ではお母さま)の財産の維持又は増加」に役立つような「特別な寄与」があったかどうかです。お兄さまのいう「面倒を見た」ということが、単に施設入所中・入院中のお母さまの身辺の世話をしていたという程度では足りず、自宅で療養看護を行ったために施設利用料や入院費用を支払わずに済んだようなケースでなければ「財産の維持又は増加」に役立ったとは言えません。また、親族は相互に扶養義務を負っていますから、「特別な寄与」があったといえるためには、親族間で期待される通常の扶養義務の範囲を超えるような寄与である必要があります。この通り、寄与分の主張が認められるハードルは相当に高いのです。
お兄さまの寄与分の主張が認められた場合の遺産分割の方法です。仮に、お母さまの遺産を100万円、お兄さまの寄与分を10万円としましょう。まず、遺産の100万円から寄与分の10万円を控除し、90万円をもって遺産とします(みなし相続財産)。相続人がふたりである本件では、相続人各自の相続分は2分の1ずつですから、ご相談者さまとお兄さまで45万円ずつ取得し、10万円の寄与分の認められたお兄さまにはさらに10万円を加算し、最終的にはご相談者さまが45万円、お兄さまが55万円をそれぞれ取得することになります。
兄が亡くなり、遺産分割を行うことになりました。相続人は兄弟5人と既に亡くなった兄弟の子どもたち8人の合計13人です。遺産として、5つの金融機関に預貯金があるほか、株式等の金融資産があります。ほかに居住用と賃貸用の不動産があることは分かっていますが、その他にどんなものがあるのかはよく分かりません。遺産分割の方法については、法定相続分に従って平等に分けるということで誰も異存はありません。ただ、いざ手続を行おうとすると分からないことだらけで、できれば専門家に依頼したいと思っています。
通常、遺産分割手続では、相続人の範囲を特定するために戸籍・除籍を集め、遺産の調査を行い、遺産分割協議書を作成します。協議書を作成したら、金融機関で実際に分割手続を行い、不動産については登記手続を取ります。また、必要に応じて相続税の申告を行い、納税します。例え相続人間に争いが無い場合であっても、これらの手続をすべて一般の方が行うのは大変です。本件のように、相続人が多数おり、遺産の内容も多岐にわたる場合にはなおさらです。
弁護士といえば「揉めたとき」に依頼するものと思われる方が多いようですが、紛争性の無い場合であっても、すべての法律事務を代行できる弁護士に相続手続を依頼するメリットは大きいです。特に、本件のように複数の種類の遺産があり、分割方法を巡って調整が必要になる場合、遺産の全部について遺産分割協議書を作成できる専門家は弁護士だけです。また、当事務所では、必要に応じて司法書士や税理士と提携し、ワンストップで相続手続が完了する体制を整えています。相続人全員の方から相続手続の委任をしていただければ、相続人のおひとりが代表者として相続手続を行うよりもはるかにスピーディに相続手続をすすめることができます。ぜひ、「揉めていないとき」でも、相続手続を弁護士に依頼することをご検討ください。



まずはご相談ください

まずはご相談ください

唐津で弁護士をお探しの方へ

まずはご相談ください